マジLOVEキングダムの感想文

 趣味の話をします。

 

 

 さて皆さん、最近映画館には行かれましたでしょうか。近年は「君の名は。」が大ヒットしたり、邦画もアニメも豊作の年が続いています。かくいう私も某「Fate stay/night Heaven's Feel 1.presage flower」という映画で、人生で初めて同じ映画を見るために映画館に通いました。衝撃でした。キャストによる舞台挨拶、週替わりの特典配布、更にはランダム封入…。アニメ映画ではよくある手法ではありますが、欲しいですよね、特典。わかります。ギャンブル性はありますが最近流行りのフィルム封入が私は好きです。

 

 

 ところ変わって6月の話をしたいと思います。それは6月も半ばのとある土砂降りの雨の日、私はバスを飛ばしてずぶ濡れになりながらパシフィコ横浜まではるばる映画を見に行きました。

 

 

そう、

「劇場版うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム」です。

 

 

 この映画はPSPゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」を原作としたアニメの続編で、一言でいえば「歌を歌うアイドルたちのお話」なのですが、一年ほど前から映画の挿入歌と称してCDが何枚も発売され、なぜか全国規模のグッズ物販までありました。ペンライトとかタオルとか、ライブTシャツなんかを取り扱っていたと思います。

 映画なのかライブなのかはたまたミュージカルでもやるのか、何が何だかわからないまま公式の発表を待ち続けること早数ヶ月。公式サイトには「6.14 LIVE START!」の文字が。ライブてなんやねん…。そんな覚悟だけをして臨みました。片手に物販で購入した星型のペンライトを持って。

 

 そしてエンドロールが流れ切った瞬間。私は赤色のペンライト*1を握りしめたまま声も出すこともできず、明るくなっていく会場の中、ただ茫然とスクリーンを見つめていました。周りもざわざわとしていたのを覚えています。

 

 その内容とは全編CGアニメーションの「ライブ映画」。セットリストがあって歌やダンスを披露する、あのライブです。OPムービーに始まり、まず最初に飛び込んできたのは一面光るペンライトの海を臨んで堂々と歌うアイドルたちの姿。豪華な舞台装置や巧みなカメラワーク、演者のMC。曲に合わせコールをしたり、画面=カメラに向けてファンサービスがあったり。アイドルたちは曲によって衣装やパフォーマンスを変え、最後の曲はユニットの枠を越えて全員で歌う。

 現実感さえ覚える、"本物のライブ"がそこにありました。

 

 この映画の凄いところは、ストーリーありきの"映画"という概念を打ち破り、"歌"と"パフォーマンス"を魅せることに徹した点です。一般的に、アニメで描かれるのはキャラクターたちの葛藤だったり成長だったり。かつてのアニメシリーズはそういった作品でした。けれど登場人物はアイドル。歌を主軸としたキャラクターで、今まで彼らが"アイドル"としてステージで全力でパフォーマンスする姿をずっと思い描いていました。

 

 それが!映画館の!大画面と!音響で!味わえる!!!

 長く続くシリーズの新作、いわば続編という立ち位置ではありますが、これ一本で独立したエンターテインメントとなっています。純粋に応援する「ファン」という視点で、言ってしまえばキャラクターや曲を一切知らなくても、女性だろうと男性だろうと、大人も子供も分け隔てなく歌と音楽を楽しめる、そんな構成になっています。

 

 総勢18人のアイドルたちが思い思いにステージを駆け巡る様子は、一度見ただけでは追いきれません。一人がカメラに焦点を当てている間に、画面の端では別のアイドルが観客席に手を振っている。同じ瞬間でも見る度に新しい発見があるというのは、自然とまた見たくなるような、プラスの感情を与えてくれます。また週替わりでライブの演出が一部変化すると言ったサプライズもあり、特典があろうとなかろうと私は映画館に通い詰めました。それはもう笑える回数通いました。笑ってください。

でもそのくらい何度でも見たくなる、とっても魅力的なライブです。

 

 

 公開から約3か月。上映館はやや減ってきているものの、まだアンコールは終わりません。 

 

 あなたも一度、夢と歌の王国へ誘われてみませんか?

 

 

 

http://utapri-movie.com/

*1:最推しはイメージカラー赤色の一十木音也くん